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  • EAを実際に使ってみた結果|1か月運用のリアル収支公開

    「EAを導入してみたいけれど、本当に利益は出るの?」そんな疑問を持つ方は多いでしょう。本記事では、実際にEAを1か月間リアル口座で運用した結果を収支データとともに公開します。導入から検証、得られた学びや改善点までを丁寧に解説するので、EA導入を検討している方にとって実践的な参考になるはずです。


    EA導入前に行った準備と条件設定

    EAを実際に稼働させる前に、まず検証環境を整える必要があります。今回はMT4を利用し、推奨環境に近いVPSを契約して24時間稼働を可能にしました。ブローカーは低スプレッド・約定力の高い海外業者を選び、スキャルピング系EAでも不利にならない条件を意識しました。

    また、資金管理ルールとして「1回の取引リスクは口座残高の2%以内」「最大ドローダウン20%で稼働停止」を設定しました。これは、EAが思わぬ損失を出しても資金を守るための基本方針です。さらに、バックテストを過去10年分のデータで実施し、平均プロフィットファクター(PF)1.4以上を確認した上で実運用に進みました。


    実際に稼働したEAの概要

    今回使用したEAは、トレンドフォロー型のスイングEAです。日足と4時間足の移動平均線をベースに売買シグナルを判断し、1回のトレードで50〜150pipsを狙う設計です。エントリー頻度は1週間に3〜5回程度と少なめですが、その分損益幅が大きく、短期売買に比べてスプレッドの影響を受けにくいのが特徴です。

    ロジック面では、ボラティリティ指標(ATR)を用いて相場の勢いを確認し、損切り幅と利確幅を動的に調整する仕組みが組み込まれていました。つまり、市場が活発に動くときは大きな利益を狙い、レンジ相場では損切りを小さく抑えるスタイルです。こうした動的なリスクコントロールは、長期運用に耐えるEAかどうかを判断する大きな要素といえます。


    1か月間の取引履歴と収支の公開

    1か月の運用では、合計で18回のトレードが発生しました。そのうち勝ちトレードが12回、負けトレードが6回で、勝率は約66%となりました。平均利益は+85pips、平均損失は-60pipsで、最終的な収支は+430pips(約+8%の口座増加)という結果でした。

    数字だけを見れば堅実な成績ですが、実際の運用中には「含み損を長期間抱える局面」や「指標発表で急落に巻き込まれる場面」もあり、心理的に不安を感じる瞬間が多々ありました。EAに任せているとはいえ、資金が減っていく時間帯は裁量で止めたくなる衝動に駆られます。最終的にプラスで終われたのは、事前に設定したルールを厳守し、感情的に介入しなかったことが大きいと実感しました。


    良かった点と期待できる強み

    今回のEAで良かった点は、損切りと利確のルールが明確で、想定外の大きなドローダウンが発生しなかったことです。特に、ATRを利用した動的なリスク管理は相場の状況に柔軟に対応し、安定感を高めていました。また、取引頻度が少ないため過剰なスプレッド負担がなく、VPSの負荷も軽かったのはメリットです。

    さらに、勝率とリスクリワード比がバランスしていた点も評価できます。平均利益が平均損失を上回っていたため、たとえ勝率が6割程度でもトータルでプラスに収束しました。この「勝率と損益比の両立」が長期運用の鍵であり、今回のEAはその点で合格点を与えられるものでした。


    課題として見えた問題点

    一方で課題も明確になりました。まず、トレンドフォロー型の特性上、レンジ相場では連敗が発生しやすく、一時的に資金曲線が大きく沈む場面がありました。また、EAのロジックが指標発表時の急激な値動きに弱く、1回で大きめの損失を被る取引もありました。

    もう一つは心理面の課題です。EAは機械的に取引を続けますが、含み損が数日続くと「停止した方がいいのでは」と迷いが生じます。結局ルールを守り切ったからプラスに終わったものの、人間の心理的ストレスを軽減するために「含み損が一定期間を超えたら強制決済する」などの補助ルールが必要だと感じました。


    改善策と今後の運用方針

    課題を踏まえ、今後は以下の改善策を取り入れる予定です。

    1. 指標発表時は自動的に取引を停止するフィルターを導入する。
    2. 含み損が一定日数を超えた場合の強制決済ルールを追加する。
    3. 複数のEAを組み合わせ、トレンド型とレンジ型を分散させる。

    これにより、相場環境による偏りを軽減し、安定した収益を狙えると考えています。特に複数EAのポートフォリオ運用は、長期的に資金を守りながら増やすための現実的な戦略です。


    まとめ|1か月運用で見えたEA活用のリアル

    EAを1か月間リアル口座で運用した結果、最終的にはプラス収支で終えることができました。しかし、その過程では連敗や含み損に耐える時間も多く、決して楽に稼げるものではないと実感しました。EAは万能ツールではなく、資金管理やルール設定、心理面の準備が揃って初めて成果を出せるものです。

    初心者がEAを導入するなら、まずは少額資金とVPSを用意し、1か月間は検証期間として割り切るのが安全です。収支結果を振り返りながら改善を重ねることで、自分に合ったEA運用スタイルを見つけられるでしょう。